私が無駄だなあと思うこと、それは、花模様がついたトイレットペーパーや香りがついたトイレットペーパー。当社では「バージンパルプ100%や和紙の技術を駆使した、気品溢れるソフトなトイレットペーパー」という宣伝文句のトイレットペーパーを扱ってもいます。某雑誌で紹介されたこともあるおしゃれなトイレットペーパーは、たしかに、真っ白で、やわらかく、上品な模様がかわいらしい。でも、モノにも適材適所というものがあります。だって使って流すだけですから、あまりにももったいないと思います。
そもそも紙の原料はなんでしょう?そう、紙は木や草からとれる繊維でできています。バージンパルプとは、紙の原材料となる木を細かく砕き、熱や薬品を使って植物の繊維を取り出したもの。一方使い終わった紙をばらばらにほぐすと、再び繊維に戻り、紙の原料になります。この古紙からうまれるのが再生パルプ。バージンパルプは、古紙から製造した再生パルプに比べると、水は約1.6倍、エネルギー消費量は2倍近く使用すると言われています。再生パルプは6~7回のリサイクルが可能とも言われていますが、次第に色が抜けにくくなり、数度リサイクルを繰り返すと真っ白とは言えないパルプになっていくのだそうです。
日本の女性は一日に約12.5メートル、男性は約3.5メートルものトイレットペーパーを使うそうです。日本で一日に使うトイレットペーパーをつなげると、赤道をぐるぐる10回以上回ってしまうほどだとか。それほどの量のトイレットペーパーのために、新たに木を伐っていたら森林がなくなってしまいます。ある先輩の方は、「昔はトイレで使う紙は、今みたいに巻かれてない四角い紙で、色も全然白くなかった。」と言っていました。考えてみれば、トイレットペーパーは、紙がいきつく最後の形。6~7回リサイクルされた、古びた色の紙で充分ではないでしょうか?
では、トイレットペーパーはどんな紙から再生されているのでしょう?牛乳などの紙パックやオフィスから出るコピー用紙、製本工場から出る紙の切れ端などです。また、駅で、使用済みの切符をトイレットペーパーにリサイクルしているということもあります。最近は、SuicaやPASMOが普及して、切符自体を目にすることがなくなってきましたが、切符は鉄道会社を象徴するものともいえます。そのため、切符のリサイクルは1990年代始めから、各社が熱心に取り組んできており、トイレットペーパーの他、段ボールや社員の名刺の紙等に有効に再生されています。
ちなみに1リットル入りの紙パック6枚からはトイレットペーパーが約1個できます。1トンの古紙からできるトイレットペーパーはおよそ850kg。トイレットペーパー1個の重さを約140gとして計算すると、1トンの古紙からできるトイレットペーパーは6,000個以上。古紙を回収に出すことがいかに大切か、わかります。
私たちができること、まずひとつは、古紙は回収に出すこと。そして、トイレットペーパーやティッシュペーパーを買う時は、ちょっと表記を確認して、再生紙でできたものを買うこと。それだけで、紙が循環し始めるのです。
毎日お世話になるトイレから、エコな生活をはじめましょう。
日本における紙ゴミの年間総量は2000万トン以上と言われています。
そのうちシュレッダーゴミは約40万トン。
公益財団法人「古紙再生促進センター」の調べによると、東京都内10箇所のオフィスを対象に行った調査で、1カ月に社員1人当たり約4キロの紙ゴミの回収が可能のようです。